はじめに
本記事では、公式の Docker Image を利用してRust 開発環境を構築する方法を解説します。
Rustの高速性と安全性、そして Docker の環境分離機能を組み合わせることで、
効率的かつ再現性の高い開発環境を手軽に作成できます。
本記事で紹介する環境
本記事は、以下の構成で環境構築した際の手順を紹介しています。
CPU | Intel 11th Core i5-11400 |
MEM | 16 GiB |
OS | Ubuntu 24.04 LST (WSL) |
docker | v28.0.4, build b8034c0 |
rustc | v1.86.0 |

公式Dockerイメージ
公式のDockerイメージは、最小限のサイズで必要なツールがプリインストールされているため、
すぐに開発を開始できる点が魅力です。
以下のコマンドでイメージを取得できます。
command
$ docker pull rust:latest
独自のカスタムイメージを作成する手間を省け、公式サポートによるアップデートが受けられるため、
安心して利用することができます。
Dockerfile【C/C++と比較したい方向け】
Rust は C/C++ の代わりとなる言語として期待されており、その独特な仕様を勉強する目的の方は、
C 言語、および C++ 言語の Tool-Chain をインストールしておくと比較して学びやすくなります。
以下の Dockerfile を利用してイメージをビルドすれば、C および C++ 言語との比較を行いながら、
Rust の理解を深めることができるようになります。
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FROM rust:latest RUN apt-get update && \ apt-get install -y \ git \ pkg-config \ gcc \ gdb \ g++ \ clang \ emacs \ && rm -rf /var/lib/apt/lists/* WORKDIR /work CMD ["/usr/bin/bash"] |

以下のコマンドでビルドします。
command
$ docker build -t rust-dev .
コンテナの起動
以下のコマンドでコンテナを起動します。
任意の src ディレクトリを /work に紐づけることで、ホスト側からもソースコードを編集できます。
command
$ docker run \
--rm \
-it \
-v $(pwd)/src:/work \
rust-dev # 素の公式イメージの場合は rust
実際の開発フロー
公式イメージに cargo という Rust 言語用のプロジェクトマネージャーが含まれていますが、
ここでは簡単な『 Hello World 』を作成し、実行する流れを紹介いたします。
コンテナ内の /work 内に hello.rs というファイルを作成し、以下のプログラムを記述します。
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fn main() { println!("Hello, world!"); } |
以下のコマンドでビルドし、実行します。
command
$ rustc hello.rs
$ ./hello
Hello, world!
おわりに
今回の記事では、公式の Docker Image を利用して Rust 開発環境を構築する手順について紹介しました。
Rust 言語習得のスタートライン、学習の一助となることを願っています。