開発環境

WSL2開発環境を任意のドライブにインストールする方法【インストール+引っ越し】

はじめに

WSL(Windows Subsystem for Linux)を公式Qiita記事などで紹介されている手順でインストールすると、
デフォルトでは C:\ ドライブにインストールされます。

しかし、Cドライブのディスク容量に空きを残しておきたいなどを理由として、
別のドライブへ WSL2 の環境を構築したい場合などもあると思います。

本記事では、WSL2 の環境を任意のドライブへ構築する方法をご紹介いたします。

この記事では、以下の環境・構成を想定しています。

CPU Intel 11th Core i5-11400
MEM 16 GiB
OS Windows11 Pro 24H2
WSL2 2.4.13
ディストリビュージョン Ubuntu-24.04
インストール先ディレクトリ D:\WSL

 

大まかな流れとしては、

  1. WSL2 のインストール
  2. ディストリビュージョンのインストール
  3. 任意のドライブへ引っ越し

となります。それぞれの項目に分けて解説いたします。

 

WSLのインストール

①コマンドプロンプトを管理者権限で実行

スタートメニュから、cmd と検索することでコマンドプロンプトが表示され、
右側のサブメニューから「管理者として実行」をクリックします。

 

②インストールされているかの確認

WSL がインストールされているか分からない場合を含めて、以下のコマンドで確認します。

 command
C:\Windows\System32> wsl -l -v

WSL がインストールされていない場合は、任意のキーを押下すると、
WSL がインストールされます。

 

③正規のインストールコマンド

WSL がインストールされていないことが明確な場合など、正規の手順でインストールしたい場合は、
以下のコマンドで直接インストールできます。

 command
C:\Windows\System32> wsl --install

 

トラブルシュート

インストール時に警告が表示される、再起動しても wsl コマンドでエラーが出るなどの場合は、
タスクマネージャーの「パフォーマンス」タブにて、仮想化が有効になっているかを確認してみて下さい。

タスクマネージャーは、左下の「スタート」ボタンを右クリック、項目を選択すると起動できます。

仮想化が無効になっている場合は、BIOS の設定変更が必要となります。
「IntelVT」や「Virtual Technology」などをキーワードとして、探してみて下さい。

 

ディストリビュージョンのインストール

①利用可能なディストリビュージョンの確認

以下のコマンドで、インストールした WSL で利用可能なディストリビュージョンを確認できます。

 command
C:\Windows\System32> wsl --list --online

本記事では、「Ubuntu-24.04」を選択する予定です。

 

②ディストリビュージョンのインストール

以下のコマンドを実行することで、指定したディストリビュージョンをインストールできます。

 command
C:\Windows\System32> wsl --install <ディストリビュージョン名>

 

任意のドライブへ引っ越し

①引っ越し先のディレクトリ作成

引っ越し先のドライブへ移動し、ディレクトリを作成します。

 command
C:\Windows\System32> cd /d D:
D:\> mkdir WSL
D:\> cd WSL
D:\WSL>

 

 

②ディストリビュージョンのエクスポート

以下のコマンドを実行して、指定したディストリビューションのスナップショットをエクスポートします。
既定では tar 形式で出力されます。

 command
D:\WSL> wsl --export <ディストリビュージョン名> <出力ファイル名>

 

③ディストリビュージョンの登録解除

以下のコマンドを実行し、WSL ディストリビューションの登録を解除してアンインストールします。

 command
D:\WSL> wsl --unregister <ディストリビュージョン名>

 

④ディストリビュージョンのインポート

エクスポートしたスナップショットをインポートします。

 command
D:\WSL> wsl --import <ディストリビュージョン名> <インストール場所> <インポートファイル名>

 

初期設定

①ユーザーの作成

スタートメニューから Ubuntu を起動し、ログインユーザーの設定を行います。

 command
root@wsl-test:~# adduser <ユーザー名>
SANACHAN
SANACHAN
useradd だと、ホームディレクトリが作成されないので注意です。

パスワードを設定した後は、ENTER キーの連打(空白)で大丈夫です。

 

②sudoグループに追加

作成したユーザーを sudo グループに追加します。

 command
root@wsl-test:~# gpasswd -a <ユーザー名> sudo

 

③デフォルトユーザーの切替

デフォルトでは root でログインするようになっています。
/etc/wsl.conf の末尾に以下を追加します。

 command
[user]
default=<ユーザー名>

 

④WSL再起動

設定を反映するため、WSL を再起動させます。

 command
D:\WSL> wsl --shutdown
SANACHAN
SANACHAN
再起動は、Windows 側のコマンドプロンプトで行います。

 

トラブルシュート

もし、以下のようなエラーが表示されたら、<<こちら>>に記載の対処法を試してみて下さい。

ユーザー設定の読み込み中にエラーが発生しました。
無効な "icon" を持つプロファイルが見つかりました。
既定では、そのプロファイルにアイコンはありません。
"icon" を設定するときに、値が画像への有効なファイルパスとなっていることをご確認ください。

 

参考

 

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SANACHAN

「生涯一エンジニア」を掲げ、大手グローバル企業でSE/PGとして8年勤め、キャリアアップ転職した現役のエンジニアです。世にあるメジャーな全プログラム言語(コボル除く)を自由に扱えます。一児の父。自分のため、家族のため、日々勉強してます。システムエンジニア、プログラミングに関する情報を蓄積している雑記帳です。

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