Python

【手順】Pythonのクラス図を無料で自動生成する方法

2020年10月24日

Python無料パッケージである pyreverse と、dot 言語で記述されたグラフ構造を画像として出力するフリーソフト Graphviz を使用してPythonのクラス図を自動生成する方法を纏めました。Windowsでの環境構築、Unix系OSでの環境構築、双方記載しています。

こんな方におすすめ

  • Pythonのクラス図を自動で生成したい
  • クラス図の生成をフリーソフトだけで行いたい

pyreverseGraphviz を使うと、以下のようなクラス図とパッケージ図を自動で出力することができます。

Pyreverseクラス図

Pyreverseクラス図

Pyreverseパッケージ図

Pyreverseパッケージ図

 

 

必要な環境の準備

必要なモノ

  • Python3 の実行環境
  • GIT Bash(Windows環境のみ)
  • pyreverse
  • Graphviz

 

Python3 の実行環境

Windowsの場合

Python の公式サイト(https://www.python.org/downloads/)からパッケージをダウンロードしてインストールします。

Pythonには 2.x 系と 3.x 系がありますが、特別な理由が無い限り 3.x 系のインストールをお勧めします。

ダウンロードしたファイルをダブルクリックして、インストールの確認画面に進んだ後、

確認画面にて、「Add Python 3.x to PAHT」にチェックを入れてから、「Install Now」をクリックしましょう。

SANACHAN
SANACHAN
インストール時にPATH追加をチェックしていないと、後に自分で環境変数の設定が必要になります。

 

Unix系OSの場合

aptyum でインストールしましょう。Ubuntuの場合は、以下のコマンドでインストールできます。

 command
$ sudo apt install python3 python3-pip
SANACHAN
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Unix系の場合、本体と pip が別のパッケージになっているので2つインストールします。

 

GIT Bash のインストール

Windowsの場合

GIT for Windows からパッケージをダウンロードしてインストールします。

GIT を使用するのが目的ではないため、インストール時の確認画面は標準設定のままで問題ありません。

 

Unix系OSの場合

標準で何かしらの Terminal がインストールされているので、特段何もすることはありません。

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pyreverse のインストール

Windows/Unix系OS 共通

Python のパッケージインストーラー pip を使用してインストールします。

WindowsとUnix系OS共通で、以下のコマンドを実行してインストールします。

 command
$ pip install pylint
SANACHAN
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pylint の中に pyreverse が含まれています。

 

Graphviz のインストール

Windowsの場合

Graphviz の公式サイト(https://graphviz.gitlab.io/download/)からダウンロードします。

graphviz_windows

ページの中ほどにある「Stable Windows Install packages」を選択し、

/Packages/stable/windows/10/msbuild/Release/Win32」までリンクをたどっていきます。

注意

Windowsのバージョン等、今後の更新で変更となる場合もあります。

graphviz_windows_zip

ZIPファイルをダウンロードして解凍し、インストールしましょう。

さて、Windows10の場合は、インストールが終わった後に以下の2点を行う必要があります。

  1. インストールした Graphviz の実行ファイルの移動
  2. 移動先のフォルダーにPATHを通す

 

Graphviz の実行ファイルの移動

Windows10 では、C:\Program Files\ 以下の書き込みが制限されているため、Graphviz が上手く動きません。

そのため、標準でインストールされたファイルをどこかにコピーする必要があります。例えば、C:\Work にコピーしましょう。

graphviz_windows_copy

 

移動先のフォルダーにPATHを通す

ユーザーの環境変数 PATH に、「C:\Work\Graphviz 2.44.1\bin」を追加します。

PATHの追加方法は、ナレッジキューブさんの解説を参考に行ってください。

 

Unix系OSの場合

Windows と違い、至ってシンプルです。以下のコマンドを実行してインストールしましょう。

 command
$ sudo apt install graphviz

 

環境の動作確認

Python と pip の動作確認

以下のコマンドを実行して確認しましょう。それぞれ、バージョンが表示されればOKです。

 command
$ py --version  または  python3 --version
Python 3.7.4
$ pip --version
pip 19.0.3 from c:\users\hoge\appdata\local\programs\python\python37\lib\site-packages\pip (python 3.7)

 

Graphviz の動作確認

先ずは、以下のコマンドを実行し、何も表示されないことを確認しましょう。

「アクセス権がない」、または「書き込みできなかった」というエラーが出る場合は、正しくインストールできていません。

 command
$ dot -c

 

いざ、クラス図の自動生成

以下のコマンドを実行し、クラス図を作成します。pyreverse のクラス図を生成する例です。

 command
$ pyreverse -o png -p Pyreverse pylint/pyreverse/

以下、2つのファイルがカレントディレクトリ直下に生成されていれば、正しく環境構築できています。

  • classes_Pyreverse.png
  • packages_Pyreverse.png

 

コマンドの書式とオプション

書式

 command
pyreverse [option] <packages>

機能

  • <packages>に変換したいパッケージ名を入れて実行
    自作した .py ファイルのファイル名やフォルダ名も指定可能(ただし、__init__.py が必要)
  • pyreverseを実行すると、package diagram と class diagram の2つが出力

 

オプション

-o, --output

このオプションは、変換画像フォーマットを指定します。指定がない場合は、dot形式になります。
出力可能なフォーマットはdot -Txxxで確認できます。

-p, --project

このオプションは、変換後のファイル名の末尾を指定します。

 

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SANACHAN

「生涯一エンジニア」を掲げ、大手グローバル企業でSE/PGとして8年勤め、キャリアアップ転職した現役のエンジニアです。世にあるメジャーな全プログラム言語(コボル除く)を自由に扱えます。一児の父。自分のため、家族のため、日々勉強してます。システムエンジニア、プログラミングに関する情報を蓄積している雑記帳です。

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